英語を話せるようになりたい気持ちはあるけれど、英会話を学ぼうにもどうしても恥ずかしさが勝ってしまってうまくいかない・・・という人もいるのではないでしょうか。当然ながら、恥ずかしさは英会話上達の妨げになってしまいます。今回は英語を話すことを恥ずかしいと感じている方に向けて、原因別に克服するコツをお伝えします!
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恥じらいを克服しなければいけない理由
英語学習の過程で、時折失敗したり恥ずかしい思いをしたりすること自体は、悪いことではありません。まったく失敗せずに上達する人などいないでしょう。同じ失敗を繰り返すまいと思うことで記憶は定着しやすくなりますし、そういった経験の積み重ねが上達へと導いてくれます。つまり、恥ずかしいという感情を糧にしてポジティブな行動に繋げることができれば良いのです。そのための恥じらいは、むしろ歓迎すべきことです。
一方で、自分の英語力を恥ずかしく感じてしまい、英会話学習にネガティブな影響が出てしまっているのであれば、その状況は改善しなくてはいけません。
たとえば、恥じらいがあるとどうしても英会話に対して消極的になってしまい、発話量が減ります。話す量が少ないと、十分な練習にならず、上達しません。上達しないから、恥ずかしいまま。そんな悪循環に陥ってしまいます。また、恥ずかしがりながら話すと自然と声が小さくなったり、モゴモゴとした発音になったりしてしまいます。すると相手に聞き取ってもらえず、「何だって?」などと聞き返されたりします。そして「思った通り自分の英語はダメだ・・・」と落ち込んでしまい、余計に恥ずかしくなる。やはり悪循環です。
10以上の言語を独学で習得した同時通訳者のロンブ・カトー氏は、外国語習得について次のような計算式で表現しています。
(消費された時間+意欲)÷羞恥心=結果
また、同時通訳者の小松達也氏は次の計算式で表現しています。
(意欲×時間)÷羞恥心=成果
(出典:日本人のための英語学習法)
いずれも、羞恥心が大きければ大きいほど、得られる英語力が小さくなることを示しています。せっかく時間をかけて意欲的に学習しても、羞恥心があると期待通りの成果が得られないことがわかりますね。
ご自身の英会話の経験を振り返ってみていかがですか。もし、羞恥心が大きい、あるいは羞恥心が上達の邪魔をしていると感じる人は、これを機に克服の道を探っていきましょう。
英会話を始めて間もない
恥ずかしいと感じる原因の1つに、英会話を始めてまだ日が浅いということがあります。慣れないことをしているので、人によっては恥ずかしさを感じることもあるでしょう。相手の言ったことが聞き取れない、簡単な語彙もパッと出てこない、文法はめちゃくちゃ…と、真面目な人ほど“できなかったこと”に意識が向かいがちです。また、誰しも学生時代に英語の授業を受けたことはあるので、単語や文法をまったく知らないという人はほとんどいません。少し知識があるからこそ、英会話を始めたばかりの時期には「こんなに簡単なことも話せないなんて」とショックを受けてしまうこともよくあります。
まずは環境に慣れることに意識を
この時期の恥ずかしさを克服する方法がいくつかあります。
まずは、ありのままの現状を受け入れて環境に慣れることです。初めてのことに挑戦しているのですから、うまくできなくて当たり前です。誰でも最初は初心者なのです。たとえ学生時代に勉強をしていたとしても、「会話」に挑戦するのは初めてなわけですから、うまく話せなくても何も不思議ではありません。そういうもの、として受け入れましょう。
次に、毎回の英会話で“できなかったこと”に着目するのではなく、“できたこと”に着目する癖をつけるようにすることです。もちろん、できなかったことをできるようにしていくことが成長です。しかし、ただでさえ恥ずかしさを感じている時期に1つ1つのミスを気にすることは得策ではありません。慣れるまでは「今日はこれが言えた!」「以前より聞き取れた!」など、“できたこと”に着目して自分自身を評価してあげて、自信をつけていくことを優先してください。すると少しずつ恥ずかしさも減っていくでしょう。
もう1つは、フレーズ暗記に優先的に取り組む方法です。はじめのうちは、単語と文法を駆使して自力で文を組み立てるのはとても難しいことです。最終的にはそれがスラスラとできるようになるのが目標ではありますが、はじめは使い勝手の良いフレーズの暗記からスタートすることで、苦労して英文を組み立てなくとも“必ず正確に伝わる体験”を積み重ねることができます。伝わる体験が自信につながるので、より早く英会話に慣れ、恥ずかしさを克服することができます。
英語の発音を気にしてしまう
英語を恥ずかしいと感じる原因の2つ目は、発音を気にしてしまうことです。これまで英語に触れる機会があっても発音などまったく気にせずに生きてきたという人も多いでしょう。そしていざ英会話を始めてみると、まるでカタカナを読み上げているような自分の発音に気づきます。そこで、少しでも英語っぽく言ってみようとするのですが、うまくいかなかったり、そもそも正しい発音がよくわからなかったりします。対策の仕方もよくわからないので自分の発音に自信が持てず、恥ずかしさの残ったまま、英会話を続けることになるのです。
発音が上手になるコツ
発音の恥ずかしさを克服するためには発音の練習をすれば良いのですが、そのコツをお伝えする前に、ここで一度考えてみたいことがあります。正しい発音とは、いったいどういう発音なのでしょうか。アメリカや、イギリスの発音でしょうか。現在、英語を話す人は世界におよそ15億人いると言われています。注目すべきは、そのうち約75%がノンネイティブスピーカーであるということです。ほとんどの英語話者が別の母語を持ち、第二言語として英語を話しています。その中には、母語の影響を受けた発音をする人も多くいます。必ずしもアメリカやイギリスを「正解」とするのではなく、話者の個性が反映された発音をするのがこの時代の英語とも言えるでしょう。そんな背景を考えれば、日本人が日本人らしい発音をすることは何らおかしいことではありません。イメージの中の「きれいな発音」にとらわれず、堂々と自分らしく話せば良いのです。そう考えると、発音を理由に恥ずかしがる必要はないということがわかってきたのではないでしょうか。
とはいえ、ネイティブスピーカーのような発音に憧れる、という人もいるでしょう。実際に、発音を練習するメリットがないわけではありません。自己流の発音で相手に伝わらなければ意味がないですし、何より、発音に関する知識がないと、相手の言ったことが聞き取れないということが起きてしまうからです。
発音を習得するためのコツの1つは、日々の学習で必ず音声を確認する癖をつけておくことです。レッスンで発音のわからない単語に出会ったら講師に教えてもらい、さらにその場で何度か練習させてもらいましょう。市販の参考書などを使うときには、CDや音声ダウンロード付きのものを購入し、目だけでなく耳からも情報を得るようにすると良いでしょう。そうすることで、「読んだらわかるけど聞いてもわからない」という事態を減らすことができます。
もう1つのコツは、英語ならではの発音のルールや特徴を学んで知識として習得しておくことです。具体的には、リダクション(脱落)、リンキング(連結)、フラッピング、弱形などです。ネイティブの発音を真似ているうちにある程度近い発音はできるようになりますが、これらの知識がある状態で真似るのと、ただ自己流で真似るのとでは大違いです。自然と習得してしまう子どもと違い、大人は知識と練習の両面から攻めるのがコツです。
周りのレベルを気にしてしまう
英語に恥ずかしさを感じる理由の3つ目は、周りのレベルを気にしてしまうことです。周りに自分よりも英語が堪能な人がいると、「下手だと思われているのではないか」「こんなに簡単なことも話せないのかと思われているのではないか」と気になって、委縮してしまうことがありますね。たとえば仕事の会議でも、他にペラペラな日本人が参加していると、恥ずかしいと感じてしまうのは頷けます。英語が上手な人だけに任せていられるのであればそれで良いかもしれませんが、自分の意見を伝えたい場面や、意見を求められるような場面もあるでしょう。やはり恥ずかしさを克服する必要がありそうです。
マインドや環境を変える
このような恥ずかしさに対しては、マインドを変えるか、環境を変えるのが対策となります。仕事で自分以外の人が皆上手に英語を話すという場合は、その状況自体を即座に変えることは難しいです。まずは、ありのままの状況を受け入れるマインドにスイッチしましょう。英語力が周りの人に及ばないからといって、人として劣っているということでは決してありません。足りない英語力の分を、他の仕事力で補えば良いだけです。引け目を感じることなどないのです。英会話初心者であること、勉強中であることを周囲にも伝え、理解してもらいましょう。英会話のアドバイスをもらえるかもしれませんよ!
もし、グループレッスンを受講していて周りのレベルと比較してしまうのでしたら、可能ならば環境を変えることも検討すると良いでしょう。せっかく時間とお金をかけて受講するのに、周りのレベルを気にして思ったように話せないのは大変もったいないことです。周りの人の英語が上手なことが気になってしまうのであれば、今のクラスよりひとつ低いレベルのクラスに入れてもらうことで改善するでしょう。さらに良いのはマンツーマン(プライベート)のレッスンを受講することです。周りのレベルを気にすることなく話すことで、ずっと効率よく上達できます。
では、英語学習者初心者はまずなにから手をつけるべきなのでしょうか。上記で紹介した躓きがちなポイントを基に、必要なことを見ていきましょう。
文法や表現間違いが恥ずかしい
英語に恥ずかしさを感じる理由の4つ目は、文法や表現間違いを恥ずかしく思ってしまうことです。中学・高校の授業で学んだり、受験を経験したりしてそれなりに文法を勉強してきた経験はあるのに、いざ話そうとすると上手に組み立てられないものです。あるいはごく簡単な文法ばかり使ってしまい、良い大人なのになんだか稚拙な英語を話しているような気がして恥ずかしくなってしまうことがあります。文法だけでなく、語彙や表現も同様です。読めば知っている語彙は多くとも、自分から発するのはいつも簡単な言い回しというのはよくあることです。恥ずかしさを感じているので、思い切ってうろ覚えの表現を試してみるという勇気も出ないのです。
マインドや環境を変える
この恥ずかしさに打ち勝つためにも、やはりマインドや環境を変えることが効果的です。まず、文法にしろ表現にしろ、間違える経験を積んだほうが結果的に正しく覚えられるということを認識しましょう。参考書や単語張で出会っただけの表現と、間違って使ってしまって恥ずかしい思いをした表現、どちらが記憶に残りやすいかは言うまでもありません。結果的に早く上達できるのだから、たくさん間違って、恥をかいたほうが良いのだ、というマインドに変えられると良いですね。
もしあなたが、文法や表現の間違いをたくさん指摘される環境で英会話を学んでいるのであれば、その環境を変えてみるのもひとつの手です。本来は間違いを訂正してくれる環境はとても貴重ですしうまく活用できると良いのですが、もしそれが理由で恥ずかしさを感じているのであれば一旦方針を変えてみましょう。担当の講師にリクエストが出せるのであれば、「細かい間違いは直しすぎないで」「間違いの訂正よりもうまくできたときに褒めることを優先してほしい」などと伝えてみると良いでしょう。
完璧な英語ではなく伝わる英語を
英会話が恥ずかしい人は、知らず知らずのうちに正しい英語を話さなければならない、きれいな英語を話さなければならないという意識が強く働いているのかもしれません。これはある程度仕方のない部分もあります。学生時代にテストの点数で評価されてきた私たちは、正しくないといけないと思いがちなのです。
つい完璧を求めてしまうタイプの人は、「何のための英語なのか?」をあらためてよく考えてみましょう。テストで点を取るための英語であれば、正確性も必要でしょう。しかし英語は本来、コミュニケーションのためのツールのはずです。仕事であれば、英語の正確性よりも業務が円滑に進むことのほうがずっと重要です。旅行ならば、目的地までの正しい道順を知ったり、食べたいものを注文したりすることができれば良いわけです。英語の正しさにこだわりすぎるがゆえにうまく話せなかったり口数が減ってしまったりして、本来の目的が達成できないのは本末転倒です。完璧な英語ではなく、コミュニケーションツールとしての「伝わる英語」を目指しましょう。
それでも恥ずかしいならマンツーマン英会話
恥ずかしいと感じる原因別に対処法を紹介してきましたが、これらをふまえてもどうしても恥ずかしいという人は、マンツーマン英会話がオススメです。マンツーマン英会話であれば、講師を独り占めして、自分のレベルや性格に合ったレッスンを受講することができます。英会話初心者である、発音に自信がない、文法が苦手、など細かく情報を伝えて対応してもらうと良いでしょう。
また、自分自身の性格を踏まえてどんなレッスンなら気持ちよく受けられるのかを考えるのも大事ですよ。たとえば、優しく励ましてほしいのか、たくさん訂正してほしいのか、そういった点も含めて伝えておくと良いです。せっかくマンツーマンでレッスンを受けるのですから、とことん自分に合ったレッスンにしてもらうのがオススメですよ!
マンツーマンレッスンに関しましては、こちらの記事もお読みください。
ワンナップ英会話では50分のマンツーマンレッスンを行っています。
受講生ひとり一人の目的や英語力、ご要望に合わせたレッスンを行えるよう、細かいご要望を日本人の英語学習アドバイザーがヒアリングし、ネイティブ講師に共有してるので効率よく学ぶことができます。
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まとめ
プロの通訳者も指摘しているとおり、恥ずかしさは英会話上達の壁になってしまいます。英会話が恥ずかしい人は、なぜ恥ずかしいと思ってしまうのかを考え、原因別に対処しましょう。
- 英会話を始めて間もない人は、ありのままの自分を受け入れて環境に慣れることと、フレーズ暗記を優先してみましょう。
- 発音に自信がない人は、正しい発音とはどういうものなのかについてあらためて考えてみましょう。その上で、リダクション(脱落)、リンキング(連結)、フラッピング、弱形などを中心に英語の特徴的な発音を学びましょう。
- 周りのレベルを気にしてしまう人は、考え方を変えてみるか、可能であれば環境を変えてみましょう。
- 文法や表現の間違いを気にしてしまう人も、考えを変えてみたり、環境を変えてみたりしましょう。
この記事が皆さんの英会話上達を後押しできましたなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!