英語にまつわる短篇小説 アテンドの心得 江戸時代、日本は幕府の命により外国との付き合いを禁止する「鎖国」の状態であった。 しかし1853年、ペリー提督が黒船に乗って浦賀に現れ、事態は急転する。開国を迫られた幕府は猶予を求め一旦保留と るが、... 2014年7月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 バターに溶けた思い出 店内は一面にパンを焼く甘い香りが漂っていた。三十分ほど行列に並んでやっと入ることができたパン屋は銀座の外れの高架下にある。明るい北欧家具で統一された店内には、小麦色に焼けた三種類の食パンがズラリと並べ... 2014年3月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 どん底と賛否両論 ‐松永の場合‐ 新宿三丁目に、その飲み屋はあった。店名を「どん底」という。名前が気に入り、ひどく落ち込んだ時には、何となくその店に足が向いた。 松永は3ヶ月前に外資系の技術商社に転職し追い込まれていた... 2013年11月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 折れない心が英語力 空港を出ると、雲ひとつない青空が広がっていた。9月にしては空気がひんやりしている。新谷美和はロンドンのヒースロー空港に降り立ちドキドキする胸を押さえた。 タクシー乗り場にいくと、真っ白なひげを蓄えた小... 2013年9月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 キッカケはけんちん汁 川辺は牛丼屋で昼食を掻き込んでいた。 最近は海外出張も増え、部下も増えてきた関係で仕事はどんどん増えてきているが、まだまだやりたい事も沢山あり、昼食などは手っ取り早い食事で済ませることが多い。 最近は... 2013年6月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 旅立ちのモヒート そのバーは、音楽を楽しむバーだった。入口に小さな看板がひっそりとある程度。質素なエントランスで注意しないとその存在にすら気づかない。小さいながら重厚な木製のドアを開けると店内は入口からは想像できない程... 2013年5月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 事件はいつも会議室で 新しい商品を企画するのには本当に苦労がいる。 そう諸田耕一郎は思っていた。商品企画部では、技術とデザイナーと営業の間を取り持ちながら、機能的・価格的に魅力的な商品を企画し且つその商品で利益率をキープす... 2013年3月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 希望の吊り革 おかしい。 いつもの満員電車に乗った宮里香織は思った。朝の出勤時の悪名高い埼京線の人混みに揉まれ、吊革を握りしめながら香織はこの異変について考えている。というのもいつも同じ駅で同じ時間に並び、同じつり... 2013年1月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 クリスマスに逢いましょう お台場はクリスマスの装いで賑わっていた。学生時代に来た頃は、まだ何もなかったのだが周りの施設も充実して今では大変な人出である。 2012年、12月16日。 桂洋子は久しぶりのお台場に戸惑いを隠せなかっ... 2012年11月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 桃色三十路の朝 あと5分。絵美子は心の中で呟いた。あと5分で絶対起きる。何しろ今日は土曜日。やりたいこともやらなければいけない事も沢山ある。あと5分。もうちょっとだけ。ほんとにも・・・ちょ・・・。zzz。 時計を見る... 2012年9月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 角筈のサムライ 西新宿と新宿3丁目の一帯がその昔、角筈(つのはず)と呼ばれていたことを知っている人も今は大分少なくなった。淀橋浄水場がなくなり、その跡地には摩天楼が立ち並び、今では新都心と呼ばれている。新宿も少し路地... 2012年7月1日 Kaito
英語にまつわる短篇小説 ビールと英文法 JR恵比寿駅は、その昔下渋谷という地名だったという。サッポロビール本社が居を構えるこの地域はヱビスビール工場があり、ビール出荷用の貨物駅があった。貨物駅はいつしかビールの商標の恵比寿と呼ばれるようにな... 2012年5月1日 Kaito